今では、着物リメイク店(着物リフォーム店)にもいろいろなお店があります。
百貨店などの催事を利用してイベント出展しているケース
呉服屋さんが兼業でしているケース
お直し屋さんが兼業でしているケース
和雑貨屋さんが兼業でしているケース
着物リメイク専門店(実店舗のみ)
〃 (ネットショップのみ)
〃 (実店舗&ネットショップ)
ざっと考えただけでもこれだけあります。
では、この中で「良い着物リメイク店」を、どう見分ければ良いのでしょうか?
しかし、その前に…
着物リメイク店が増えてきたとは言え、
あなたの住んでいる町に何件もある訳ではありませんよね。
小さな市だと、着物リメイク店が無いところも多いと思います。
あるいは、あったとしても、表現は良くないかも知れませんが、
「田舎の洋装店」って感じの”まかせて大丈夫?”的な(すみません)お店ではありませんか?
さらに、そのお店は実店舗のみではありませんか?
ネットショップは運営していないですよね?
であるなら、少し注意が必要かも知れません。(特に価格と技術の面で)
あと百貨店内の呉服店や、催事の時に出展している和のお店などは、あまり良い話を聞いたことはありませんね。
冒頭から過激な文面になっていますが、お許しください。
これは、私が着物リメイク店を始めて以来、いろんなお客様や取引先の方々より聞いたことを事実としてこの記事に書いています。
要は何が言いたいかと言うと、
ライバルがいない中では、「高価格&低技術」または「低価格&低品質」になりやすい
という事です。
ライバルがいなければ値下げをする必要はありませんし、それ以上コストをかけて品質を上げる理由もありません。
良い着物リメイク店を探す前の段階で、このことをよく理解しておく必要があると思ったので最初に書きました。
では、改めて、
良い着物リメイク店を、どう見分ければ良いのでしょうか?
ポイントは4つあると思います。
① センス
② 技術
③ 価格
④ 仕事の姿勢(人柄・接客)
どんな業種でもそうだと思いますが、
上記の4つをクリアしているお店が「良い店」だと世間に評価されるのだと思います。
では、これを「どう探し、どう見分ける」のか、私なりに書いてみたいと思います。
尚、実店舗でもネットショップでも見分け方は同じだと考えます。
① 「センス」の見分け方
これに関しては商品(ネットショップであれば写真)をみれば一目瞭然だと思います。
そのお店が作ったモノですので、誤魔化しは効きません。
ネットショップであれば正面の写真だけでなく、サイドやバック、中などの写真まで掲載していると良いでしょう。
とにかく言葉(店員のトーク)や、ネットショップであればお店や商品のうんちく(商品説明やお店の姿勢)を文章巧みに長々と書いているのは要注意です。
ネットショップの場合は、文章が多くて写真が少ないのは注意が必要かも知れません。
何故ならネットショップの場合、「コピーライティング」技術を駆使して”あなたを購買に誘導するような文章”にわざとしているからです。(下のPS.を読んでください)
もちろん文章を読むことは必要です。が、文章に操られる事のないよう冷静に読んでください。
冷静に考えると「当たり前のこと」を、さも「うちは、こうです」的に書いているのはどうかと思います。
【センスの判断基準は…商品の写真のみです】
② 「技術(縫製)」の見分け方
これは①と同じです。
実店舗なら商品を手に取って見れば解かりますし、ネットショップも写真を拡大すればある程度は解かります。
よく、「うちは動力ミシンを使ってる」とか「プロ用の道具を使ってる」とか”道具自慢”をする店がありますが、私は道具は関係無いと思います。
家庭用のミシンやアイロンでも安物でなければ充分通用します。
大切な事は「作業をする人の能力」である事を忘れないでください。
魚釣りの上手な人は、どんな竿を持たせても数多く釣り上げるものです。
【技術の判断基準は…商品の写真のみ。道具ではありません】
③ 「価格」の見分け方
これは少々むずかしい問題です。
「安ければ良い」、反対に「高ければ悪い」とは一概には言えないからです。
要は、「適正価格」をどう見極めるか、という判断になります。
一般的に世の中の商売の原価率は「売価の3割程度」です。
これを念頭にして考える以外にないでしょう。
参考までに…
下請け縫製料は、小物で数百円~1000円程度まで、
簡単なワンピースやチュニック(裏地無し)で5千円~1万円程度、
ドレスだと1万円~3万円程度と考えられます。(国内縫製)
厄介なのは「デザイン料」「型紙(パターン)料」と称されるものです。
着物リメイクブランドを名乗っているところは、これを売価に反映しているはずです。(売価を見れば想像は容易にできます)
あと着物の「解き料」を別途徴収している場合があります。
結論としては、上記、縫製価格から想像し、あまりに高い場合は「高いお店」、あまりに安い場合は「海外縫製あるいは縫製が汚い」と考えるのが妥当だと思います。
きちんとしたお店は
高くもなく、安くもなく、
適正価格を遵守しているはずですから。
【価格の判断基準は…原価率3割(上記参照)から予測をたてる】
④ 仕事の姿勢(人柄)の見分け方
店頭であればこれは解かると思います。
問題はネットショップの場合ですね。
メール内容のきめ細やかさや、ていねいな文面などが判断基準になると思います。
性格は文章に必ず現れるものです。
日本語の使い方に注意を払ってください。
例をあげると…ホテルのフロントマンを思い浮かべてください。
ホテル業は接客マナーの最高峰の手本です。
あのような気配りと言葉使いがメールで出来ているネットショップは、きちんとしたお店だと思います。
【仕事の姿勢の判断基準は…メールでの気配りと正しい日本語】
以上、「良い着物リメイク店の選び方・探し方・見分け方」を書いてみました。
着物リメイク業界はまだまだ未成熟な業界
着物リメイク(着物リフォーム)という言葉自体、最近(ここ十数年)でできた言葉です。
特殊な業界ゆえに参入者も少なかったのですが、最近少しずつ増えてきたように感じます。
成熟した業界と、未成熟な業界の差は何でしょうか?
たとえば…
自動車業界やファッションアパレル業界あるいはコンビニエンスストアなどの成熟した業界では、「価格の上下」「仕上げの良し悪し」などを同等レベル商品で比べた時、そう大差はありません。
ところが…
着物リメイク業界など比較的新しく未成熟な業界では、
同等レベル商品で比べた時の価格差・技術差が多々ある
というのが、あなたにお伝えしたい私の見解です。
私のお店が”良い着物リメイク店”とは言いませんし、まだまだ一生、お客様の為にセンスを磨き、あらゆる努力を惜しまない所存です。
こんな内容を書かせていただいたのも、「着物リメイク業界がこうあってほしい」との切実なる想いからです。
着物リメイク、という言葉がまだまだマイナーな現時点では、「良い着物リメイク店」はお客様ご自身で判断する以外にありません。
「巧みな接客トーク」や「巧みなサイトの文章内容」に騙されることのないように、そのポイントをご助言させていただきました。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
PS.
インターネット社会が成熟していく過程で、各ホームページ内での「コピーライティング技術」に注目が集まりつつあります。
これをわかりやすく言えば、通販のTV番組ってありますよね。
健康食品やダイエット器具などの…
あれのホームページ版ですよ。
あれって、ほぼ全部がパターン化していますよね!
会社の姿勢×2
商品のうんちく×2
お客様の声×2
クロージング×2
もう、うんざりします。
でも、あれこそが人間の心理をついたTV版のコピーライティングなのです。
すべて心理学データに基づいて作られています。
このようなホームページが、これからはどんどん増えると思います。
「本物を見抜く力」を、私達は養わないといけませんね。
着物リメイク店において見るべきは
あらゆる角度からの写真です。
文章は嘘を書けますが、(言葉で取りつくろえる、という意味です)
写真は嘘をつけませんので。(写真は修正できません)
「商品写真を全面に打ち出している」かどうかが決め手だと思います。
リメイクのご相談は、こちらからどうぞ!