着物のお手入れについて
2014/06/03
着物は本来、洗うことを前提として作られておりません。
昔は洗い張りといって着物をほどき、水洗いし、縮まないように板に張ったり、竹ひご等で固定して陰干しし、もう一度仕立て直していました。
もちろん普段は汚れないように、直接肌に触れないよう、洗わなくて済むようにしていたことでしょう。
お手入れの一般的な考え方として、
【1.】普段の汗は、乾いた布を下に敷き、水で絞った布ではさみ、上からたたいて汗抜きにとどめま
しょう。
【2.】襟元や袖口など、汗汚れが気になりだしたり、何かで汚れてしまった場合は、ドライクリーニ
ングに出しましょう。
【3.】シーズンの最後にドライクリーニングに出しましょう。
これを実践していただきますと、より長く着ていただけると思います。
という事が言われています。
とは言え、クリーニング代もバカになりませんよね。
着物リメイクでの一番の不安は、「シルクを家庭で洗える?」という問題だと思います。
結論から言えば80%の生地は、水での手洗いであれば家庭で洗うことは出来ます。
ただ、洗うと危険である20%の生地の見極めが難しいのです。
それは、着物を解いて折山をとるアイロンがけの時に解かります。
折山をとるには、「スチーム」あるいは「霧吹き」ひどい時は「生地全体を完全に濡らす」といった手法をとります。
その過程で、縮むか縮まないかが解かるのです。
当店では、この結果をお客様にお伝えしています。
家庭で洗える場合には「洗えますよ」と言っております。
責任回避のため、「必ずドライクリーニングで」とは申しません。
着物リメイクをされる方の一番のネックは、「家庭で洗えない」と言うことであり、クリーニング代がかかる、と言うことです。
出来ない生地は、「出来ません」と伝えますが、
出来る生地は、「洗えます」と伝えますし、実際に80%の生地は水で手洗い可能なのです。