着なくなった着物は「ゴミ」ではありません。
2015/08/14
もう、ほぼ一年くらい前の話なのですが…
近くのゴミステーションに大量の着物や和装小物が捨てられているのを目にしました。
通りすがりにチラッと視界に入っただけなのですが、正絹の、しかもまだ綺麗な着物もたくさんあったように見えました。
これを見て思った事は…
着物はゴミですか?
本人もしくは家族の着物じゃないのですか?
その着物に思い出はないのですか?
誰がお金を出して買ったのですか?
あると、そんなに邪魔ですか?
……腹が立ってきます。
断捨離にも、程がありますよ。
リメイクしてください、とは言いませんが…
少なくとも、
●どこかに寄付する(縫製スクール等、布を必要としている所はいくらでもあります)
●リサイクル店に売る(金額は期待できませんが、あなたが捨てる判断するよりはマシです。)
など、いろんな選択肢があるはずです。
あなたはその着物が必要でなくても、
その着物
その絵柄
その織り
その染め
を必要としている人がいます。
いらなければ、タンスに入れたままではダメなのですか?
このブログを見ている同業者様や着物好きな方がおられたなら、
ぜひ「日本文化の象徴である着物」を捨てないよう、
いろんな方法での拡散を期待したいと思います。
お盆ですので、もう一つ話題を…
この仕事をしていて最近思うのは、
お身内の形見のお着物を、バッグや小物などにリメイクさせていただく機会が多くあるのですが、その度に感じる事は、先程の断捨離の話とはまったく逆で、「素晴らしいお考えで心優しい方だな~」と心から思います。
着物をリフォームして形見分けをする。
このことは、まだまだ世の中には浸透しておらず考えも及ばない方が多い中、こうして故人のお着物をムダにする事なく想い出として別の形に変えて活用する…素晴らしい事です。
ちょうどこの時期、終戦の特集TVが数々ありますが…
今を生かされている私達の生活や平和は、先人達の苦難や努力の上に築かれているのだと強く感じます。
そう考えた時、もう着ないとは言え、「亡くなられたお身内のお着物を処分なぞ出来ようはずがない」、と思うのですが…。
いかなる着物も捨ててほしくはありません。