着物リメイクの「形見分け」とは、それを見て故人を偲び、明日の糧にすること
フラワーなら傷まないし、お仏壇にも飾れます
数珠入れも使用頻度は少ないので痛みません
姉妹で分けるならバッグや日傘も良いですね
いつでも故人を身近に感じられるように、いろんな品にリメイクするのも良い
額装は永久に保存できるのでお薦めです
2018/01/15
「遺品整理」
“人の子”である以上、私にも、あなたにも、いずれその時は必ず訪れます。
決して避けては通れない問題ですよね。
特に故人が女性(母や祖母)の場合、決して捨てられない品物が一つや二つは必ずあります。
写真はもちろんですがジュエリーや衣類などは、その代表だと思います。
写真やジュエリーは小さいので保管する場所に困りませんし、
ジュエリーは専門のお店に行けば高価格で買取ってもらえます。
しかし衣類、その中でも特に「着物」に関しては、
保管に場所をとる
売っても二束三文
自分で着るにも身体に合わない、柄が古い
そもそも着物は着ない
かと言って、捨てる事は絶対に出来ない。
という訳で、遺品整理に最も悩む品物が「着物」なんだと思います。
事実、「亡くなった母や祖母の着物を長く箪笥にしまっていたが、このままでは生地がダメになるので洋服か何かにリメイクして活用する事にしました。」
という動機で当店に相談に来られる方はとても多いです。
ただ、あなたは着物リメイクと言うと「自分で使うモノ」と考えませんか?
もちろん、それで良いのですが…
リメイクする着物が”母親”や”祖母”のものであるなら、
あなたにご兄弟姉妹はいらっしゃいませんか?
いるのなら自分用とは別に、「形見分け」としてちょっとした品物にリメイクして差し上げるのは、とても美しい事だと思います。
「故人の想い出の着物で作った品物と、いつも身近に接していられる」
という最高の形見分けのカタチだと思うからです。
ポーチ・財布・巾着・数珠入れなどの小物や、あるいは少ない数ならバッグ・日傘などのファッション小物でも良いでしょう。
また、使用する品物だといずれ傷むので、着物リメイクのフラワーやテディベア、あるいは額装など観賞する品物でも良いでしょう。
非常に書きにくい話ですが…
「故人の着物や帯を処分した」、という話はよく耳にします。
それは「保管に困るから捨てる」、「使い道がないから捨てる」といろんな理由があると思います。
しかし、どうでしょうか。
もしそれが両親の着物だとしたら、私だったら捨てられないです。
とは言え、形見である着物の
利用方法が浮かばない
リメイクすれば良いとわかっていても腰が上がらない
面倒くさい
忘れてしまっている
というのが現実なんだと思います。
こんな現状を考えると私達人間は
「過去のことをだんだん忘れていくんだ」
と、つくづく思います。
母親や祖母の着物や帯で作った品物を、普段から身に付けて生活すれば幸せな気持ちになるのではないでしょうか。
また、最近のお客様のご注文に、
「生きているあいだに着物リメイクで形見を作っておきたい」
というケースがありました。
当店では初めてのケースでびっくりしましたが、これも良い方法だと感じました。
なぜなら「終活」という言葉があります。
最近では、残された者が困らないように「生前に、自分の死後の様々な事を行っておく」といった風潮がありますよね。
このお客様が"偉いな~"と感じたのは、ご自身の着物の整理を生前に行うということです。
確かに、着物を残して旅立たれると、残された者が「この着物をどうするか」考えないといけませんよね。
その中には、故人の意志とは違った方法をとる人も少なくないと感じています。
たとえば…捨てるとかです。
しかし、生前に形見分けの品物を準備していれば、そんなことにはなりません。
このお客様には、"違った形見分けの方法"を勉強させていただきました。
とにかく…
女性のほとんどは「着物を残して」旅立たれます。
それらの着物を「どうするか」は、残された者(身内)に託される訳です。
心のかよった「遺品整理の仕方」をしてほしいと願います。
PS.
私事ですが、当店では
亡くなった祖母の和箪笥(明治~大正時代)を
店舗に置いて使用しています
たまに、心身が疲れた時など
それを眺めると
不思議と心が落ち着きます
亡くなった身内の残した物とは
そういうものではないでしょうか