着物リメイクで技術を要する作業の一つ…「柄合わせ」
2015/06/06
着物リメイクの工程の中で、「柄合わせ」という結構細かく手間のかかる作業があります。
留袖などを解いた後の絵柄合わせ。
家紋合わせ。
小紋の模様合わせ。
などがありますが、
この「柄合わせ」は全体の完成度を大きく左右する手作業になります。
特に当店の商品は、「生地を上手に継いで美しく仕上げる」という手法を使いリメイクしていますので、生地を継ぐ部分に必ず「柄合わせ」の作業が入る為、他店に比べて、柄合わせの頻度が多くなります。
なので当店では、この「柄合わせ」には本当に0.1ミリ単位でこだわった作業をしております。
着物も反物幅で作りますので継ぎが多いのですが、着物では継ぎの部分に「キセ」という手法を使っていて、柄が少々合ってなくても目立ちません。
一度、ご自分の着物のキセを開いて柄がピッタリ合っているか見てみてください。
ほとんどの着物は合っていないと思います。
着物の場合は柄が合ってなくても目立たないのです。
しかし、私達の手掛ける洋服・ドレスやバッグ・クッションカバーなどは、着物のように「キセ」をかける訳にはいきませんので、どんぴしゃり柄が合っていないとかなり目立ちます。
このような理由から、当店では「柄合わせ」を最も重要な工程の一つとしています。
裏を返せば、着物リメイクにおいては「柄合わせ作業」に妥協するようなお店は良くないお店ということになります。
●一番下の写真をご覧ください。
これは、コートの外ポケットですが…
どこにポケットがあるか、わかりますか?
よく見ると、丸いポケットが斜めに付いているのがわかると思います。
これは最高難度の柄合わせになります。
ある直線部分の柄を合わすだけではなく、ポケットの周囲すべて完璧に柄を合わせないと、この仕上がりにはなりません。
こういった、「細部のこだわり」が、着物リメイク(着物リフォーム)品の完成度の高さにつながると思います。
「人に見せたい・見てもらいたい」…
着物リメイクをする人の"心理"の一つだと思います。
そういった、お客様に恥をかかす事のない仕事が出来る当店の縫製スタッフには感謝をしていますし、当店の誇りでもあります。
この場をお借りして…
日々お疲れ様です、そして、ありがとうございます。