日本人が好む着物リメイクの仕方とは…「粋」と「わびさび」という言葉に関係があった
2017/02/04
「見えない所こそ綺麗に」
「質素な中にも少しの美しさを見いだす」
古来より日本人に備わっている良き文化です。
義を大切にする
隅々まで掃除する
温泉に浸かり疲れを取る
高い精度のモノ作り
接客時のおもてなしの精神
これらはすべて「先人が築き上げた良き日本文化」だと思います。
不思議なことに着物リメイクに関しても、この「見えない所こそ綺麗に」や「質素な中にも少しの美しさを見いだす」を心掛けてリメイクすると素敵なモノになるような気がします。
そして、お客様の満足度というか、反応も明らかに違うのです。
このことは、紛れもなく私達日本人の特徴を表していると感じます。
解かりやすく言うと、日本人はシャイで控えめなので…
表は、「清楚で控えめだが凛としたモノ」
裏は、「派手ではないが粋なモノ」
が好きな方が多いのです。
「見えない所こそ綺麗に」
「質素な中にも少しの美しさを見いだす」
つまり、チラッと見える部分をあえて豪華にする、という事です。
リメイクされる方の年代や好みにもよるでしょうが、着物リメイクの年齢層は40才~の方が大半ですので、やはりその年代では「控えめで粋なモノ」ということになるのだろうと思います。
当店いにしえでは、このことを強く意識してデザインしています。
一言で言えば、「わびさびを商品デザインに取り入れる」、です。
質素な中にも、美しさを見いだす
これこそが、「着物リメイク品の本質」であると考えています。
着物として完成された生地を再使用するのが着物リメイクですので、出来るだけ、その生地の柄をそのまま活かした商品を作る必要があります。
ただし、それでは"ただ違う形に縫製するだけ"になってしまいます。
だから付加価値の付けどころとして「裏地」や「中」といった"見えない部分"を手を抜かずにデザインします。
元々の着物の色や柄を活かしつつ、新たな魅力を加える工夫が大切です。
私達に着物リメイクを依頼されるお客様は、
「世界に一つだけの一点物」、を望んでいらっしゃいます。
もちろん着物を他のモノに作り変えると、それだけで「世界に一つだけの一点物」にはなります。
しかし、それではダメ。
そこにもう一つ「付加価値」を加えてこそ、元の着物が活きるのです。
ただ作り変えるのではなく、
リメイクする着物の「表地が第一の主役」でありつつ、
付加価値を付けた「第二の見どころ」を、チラッと見えるところ、
つまり裏地や中に「粋」や「わびさび」を感じさせる。
これが、日本人が好む着物リメイクの仕方だと思います。
写真は、どれも裏地や中を、表地とは別の着物生地を使った例です。
チラッと見える部分、
つまり、裏地や中を粋に見せるのが日本人にあったオシャレ感覚ではないでしょうか。