カラーシルクの裏地付きロールカラーワンピース。
2015/05/26
非常に重厚感のある色柄の小紋のお着物を、ロールカラーのワンピースにリメイクしました。
裏地には、当店の在庫着物の中から珍しいブルーの裏生地を発見し、ちょうど色も合うのでそれを使用しました。
実を言うと、当店では裏地に非常にこだわっており、白のキュプラはあまり使用したくありません。
たしかに、キュプラの良い所は、「中着とのスレ感」と「静電気が少ないこと」です。
裏地としては、適していると思います。
が、しかし、これは着物リメイクです。
着物の裏地もシルクであるように、リメイク後の洋服にも裏地はシルクを使うのがベストだし、着物生地に対する"敬意"でもあると考えています。
今回のお客様も、このブルーシルクの裏地をご提案させていただいたところ、快くご了承いただきました。
写真でお解かりのように、やはり白のキュプラとは一味違いますよね。
※ 裏地は、見えない所ではありません。
※ 裏地は、見えるのです。
表地が着物であれば、裏地にも気を遣うべきだと私は思います。
あと、フィッティングですが…
当店いにしえでは、仮縫いには本生地を使用して切らずに行います。
その理由は…
●シーチング生地とシルク生地の微妙な違い(着た感じ)を解消するためと、
●お客様に柄合わせもチェックしていただくためです。
こうすることで、フィッティング時のお客様との微妙な認識の違いを100パーセント解消することが出来ます。
着物生地を切らずに仮縫いするのは非常に複雑で面倒な作業です。
裏生地のご提案も、お客様には予算をご負担いただく話になります。
しかし、「良いモノ」を作るには「こだわり」を持ち、それをブレることなく貫かないといけません。
最終的にお使いになるのはお客様である以上、
また、高価なシルクの着物をリメイク(リフォーム)する以上、
どの部分・どの工程でも一点一点熟慮を重ねて、ベストなモノを作り上げていきたいと思います。