これが何かわかりますか…もちろん着物ですが、寂しい着物達なんです
2017/03/17
この写真は、ある方より当店に「ご寄付」いただいた着物と帯です。
実は、珍しい事ではありません。
月に数人の方が、
「この着物を何かに利用してください」
と当店に持ち込まれます。(ただ、再利用出来る状態のものしかお引き受けは出来ないのですが)
理由は、その方その方でさまざまですが…
共通している点が3つあります。
それは…
①もう着ない。
②娘がいない。
③リサイクル店に行ったが、全部で何百円と言われた。
ならば、ここ(当店)のほうが良い方法で再利用してもらえそう。
という点が皆さん共通しているように思います。
ですが当店では、いわゆる着物の「買取り」はしていません。
皆様がお着物を手放す時は、「お金ではない」と思うからです。
お引き受け出来るお着物はすべて「寄付」という形にさせていただいております。
そして、ご寄付いただいたお着物や帯は、責任をもって違うカタチに作り変えて再利用させていただきます。
当店にはこのように、いわば「託された着物」がたぶん1000枚以上はあるかと思います。
その一枚一枚に、手放された方の想いが詰まっています。
一点一点、手造りで生まれ変わらせ、また違うカタチで世間の役に立つようにしてあげようと考えています。
ところで…
着物を手放す手段としては、3つあります。
① 誰かに譲る。
② リサイクル店に売る。
③ 捨てる。
そして、今日の本題ですが…
③の「捨てる」という行為だけは、やめていただきたいのです。
過去に何回か、大量の着物がゴミステーションに出されているのを目にしたことがあります。
たぶん、その地区にお住いの主婦の方が捨てたのだと思いますが…。
その方に質問してみたいです。
なぜ、捨てるのですか? と
理由は人それぞれあると思いますが、
「もう着ない」、「邪魔」、「断捨離」といった理由であるなら、その方の見識を疑いたくなります。
たしかに、世の中のほとんどの着物は、「箪笥の肥し」状態だと思いますので、「邪魔」であることは否定しません。
しかし、その一枚一枚は、「日本の伝統文化」です。
そして
誰に
いくらで買ってもらい
何回着たの?
といった事を思い起こしてほしいのです。
着物を捨てる行為は、犬や猫を捨てる行為に近い
と私は思っています。
なぜなら、その着物に待っているのは、まさしく"安○死"なのですから。
その着物に携わったであろう人達(おそらく身内)の「想い」までも一緒に捨てる行為だと思います。
今、着物をお持ちの人がする行動は5つしかありません。
① 着る
② 箪笥の肥しのままでも良いが、メンテナンスをする
③ 譲る
④ 別の形で再利用をする(リメイク)
⑤ リサイクル店に売る
せめて、このいずれかであってほしいものです。
着物を捨てることなど絶対にあってはならないと思います。
PS.
古いタオルや肌着は
「雑巾」や「ウエス」として再利用するのに
着物は再利用せずに捨てる
これって、おかしくないですか???