魔法の裏生地「紅絹(もみ)」を私は多用します。
2015/06/13
紅絹(もみ)という昔の生地があるのはご存知かと思います。
紅花を揉んで染めた生地で、昔の着物の裏地・襦袢・袱紗などに使われていました。
今ではほとんど生産されていないようですが…。
実は、私は「紅絹愛好家」でして…(変な趣味ではないですよ)
着物リメイク(着物リフォーム)において、私はこの「紅絹」を多用します。
先人の知恵と遊び心が生んだこの生地が、
近い将来、もう見られなくなるのが残念でなりません。
さて、この紅絹ですが…
燃えるような赤は「魔法の裏地生地」ですね!
何でもない物でも「裏」や「中」に紅絹を付けると、ガラッと印象が変わり素晴らしい作品に仕上がります。
洋服の裏地
バッグの中(見返しや持ち手の裏など)
小物類の裏地
日傘の裏地
など、いろんな部分に使うことが出来ます。
人間が、他人や物に惹かれる一つの理由に、「ギャップ」ということがあると思います。
この「紅絹」の魅力も、ギャップが大きく起因していると思われます。
いつも書いている事ですが、着物リメイクに限らずモノづくりにおいて「裏」や「中」は非常に重要です。
これは、「見えない所こそ綺麗にする」という…
大袈裟に言えば、
古来よりの日本人の礼儀礼節を重んじる文化からくる「美徳」なのです。
着物リメイクに限らず、何事においても「見えない所」をおろそかにしてはいけないと思います。
一番上の写真は、紅絹で作った婚礼用五つ紋の長襦袢です。
今では、滅多にお目にかかれない希少な代物です。
長年、リサイクル着物屋をやっておりましたが、後にも先にも紅絹の婚礼用五つ紋長襦袢はこの1枚のみです。
リメイクには使用せず大切にとっておこうと思います。
二枚目以降の写真は、「裏」や「中」に紅絹を使用した例です。
このように、和柄には紅絹がピッタリと合うんです。
しかしながら、「シルクの紅絹」を大量に持っているリメイク屋さんはなかなか無いと思います。
当店いにしえは元々リサイクル着物屋でしたので、この「シルクの紅絹」を大量に保有しています。
この、すばらしい生地を是非、当店ご利用のお客様にはご活用いただきたいと思っています。