「着物を着なくなった世代」の私達には、それなりの責任があると思う
2019/05/07
今日は、私が常々頭の中で考えている(思っている)事を書いてみたいと思います。
今、私は56才です。
まさに、「着物を着なくなった世代」の中心に位置する年代だと思います。
この、「着物を着ない世代」の"責任"とは何でしょうか?
今、あなたがお持ちの着物で一番多いパターンが、「結婚と同時に親に買い与えられた着物」だと思います。
その着物を、売る・捨てる・虫干しもせず箪笥に入れっぱなし…
バチ当たりな世代なわけです。
たしかに、着物を着なくなったのは仕方のない事ですよね。(明治維新~戦後の欧米化が主な原因だし、そもそも洋服のほうが便利です)
でも…「もったいない」ですよねー。
そこら辺の洋服とは質(シルク)も値段もぜんぜん違います。
●着ないなら、せめて「他の方法で活かす事」を真剣に考える。
それが私達「着物を着ない世代の責任」ではないでしょうか。
私が着物リメイク業を始めた一番の理由がこれです。
たとえば…
(恵まれた人は、ですが)
親がくれたお金は使うし
親が建ててくれた家にも住むし
親が買ってくれた車にも乗る
これらは、「生活必需品」だからです。
でも…
親が買ってくれた着物は着ない(使わない)
今では、「生活必需品じゃない」からです。
なので仕方がないし、いわば時代のせいです。
しかし…
忘れてはならないのが
お金にしろ、家にしろ、車にしろ、着物にしろ
すべてに共通しているのが「あなたに対する両親の想い」です。
あなたはこれを無視できますか???
あなたに出来る事をすれば良いと思います。
着ずとも、その着物を大切にする(せめて年1~2回は湿度の低い日に箪笥から出して虫干しをする)のでも良いでしょうし、
娘さんに譲るのも良いと思いますし、
お正月などに着られれば、なお良いと思います。
もちろんリメイクして普段に使う・活用するのも良いですね。
逆に…
捨てるのは、もってのほかですが、
私は、処分する(売る)のはどうかと思っています。
なぜなら、売っても二束三文、タダ同然だからです。
よほど高級な着物(何百万円)でない限り、数十万円の着物が100円~1000円だからです。
また、着物を処分したい人の一番の理由は「保管にスペースをとり邪魔だから」だと思いますが、
あなたは、「親の想いを売ってでも1000円を得たいか、または断捨離したい」のですか???
今の時代、着物を着ない人にとっては確かに着物は邪魔でしょう。
それは否定しません。
でも、安易な方法で着物を処分するのは避けて欲しいと思います。
その着物は、
「あなたの親が汗水流して働いて買ってくれた、あなたにとっては大切な宝物」
だという事を、どうか忘れないでください。
大切に保管するなり
娘さんに譲るなり
数年に一度でも着るなり
その着物を活かす(親の想いに応える)方法はありますし、
その上で、もし、私のところでリメイクされるご縁があるとしたら、私は全力であなたの想いに応えます。