「着物リメイクの形見分け」、いろんな事例をご紹介。
2015/02/07
着ない着物の活用法の一つに、「形見分け」があります。
ただ、故人が所有していた着物をそのまま渡しても、結局は箪笥にしまいっぱなしで形見分けの意味を成しません。
そこで故人の着物を他の物にリメイクして形見分けをする、という方法が注目されています。
この考え方は非常に理にかなっています。
形見分けの品というのは、「身に付けてこそ」あるいは「傍に置いてこそ」その意味を成すのだと思います。
当店でも形見分けのご相談は非常に多く、さまざまな内容の相談を受けています。
本日は、その事例をご紹介いたします。
① ご姉妹2人での形見分け
留袖と絽の留袖の2枚で、暖簾2枚を制作
② ご兄弟姉妹3人と叔母3人での形見分け
色留袖1枚で、フラワー48本を制作
③ ご自身と叔母2人での形見分け
喪服(黒紋付き)とその帯で、バッグ3個を制作
④ ご兄弟やご親戚15人での形見分け
色留袖1枚で、数珠入れ15枚を制作
⑤ ご兄弟姉妹5人での形見分け
黒留袖と色留袖の2枚で、数珠入れ5枚とフラワー30本を制作
などなど、さまざまな事例がございますが、
その特徴としては…
観賞するもの
使用頻度が低く、傷まないもの
ということが挙げられると思います。
もし、当店のブログをお読みになったことがきっかけで形見分けをお考えの方は、「使用するものは傷む」ということをお考えください。
形見分けの品というのは、少なくともご自身が生涯使える物、あるいは生涯観賞出来る物をご選択されることをお薦めいたします。
たとえば、着物リメイクの日傘やクッションなどは、私は形見分けにはお薦めできません。
日傘は破損の恐れがありますし、クッションも使い方によっては汚損の可能性の高い商品です。
形見分けの品とは、「人の想い」そのものだと思っています。
是非、「破損」や「汚損」をすることのない品物にリメイクしてください。