粋な絵柄の付下げをロールカラーチュニックにしました。
2015/03/17
絵柄が粋な着物は、チュニックにリメイクしても粋ですね~。
このお客様のご要望は、もちろん付下げの絵柄を活かしたチュニックに、という事でした。
このような場合は、「絵柄の位置」が非常に重要になります。
いわゆる"生地取り"のセンスが大切という事です。
今回の場合、メインの絵柄の位置を左胸の若干下にもってきました。
この"若干下"という位置の見極めがセンスの部分なのです。
これ以上、上でも下でもおかしな配置になります。
他の小さな絵柄との位置関係もあります。
よく、「柄の配置に関してはそのお客様の好み」といった方針のリメイク店がありますが、それは私は違うと思います。
そういったお店は「デザインに対するプロの威厳」が無いお店です。
お客様に、「この柄をここにもってきて、こういう風に全体の配置をお願いします。」
と指示をされても、それが変であれば指摘をしないといけません。
笑われるのはお客様なのですから…。
それを仕立てたお店も笑われているのと同じです。
このブログをお読みの方にご質問します。
有名デザイナーに柄の配置を指摘(ダメ出し)されても、「いやいや、こっちが私の好みよ」と言えるでしょうか?
私は言えないと思います。
デザインとは「好み」ではありません。
デザインには"正解"と"不正解"があるのです。
このことを、お客様に対して"威厳"をもって指摘ができるお店こそ、プロの着物リメイク店ではないでしょうか。
私は、この着物リメイク工房いにしえが、そんなお店になることを目指しています。