着物リメイクでの洋服の仮縫いフィッティングで大切なこと
2016/09/14
写真のコートは当店の仮縫いの状態です。
通常、仮縫いはシーチング生地で行いますが、当店ではこのように本生地で"生地をいっさい切らずに"行います。
なのでポケットは別生地で付けている訳です。
着物リメイクの場合、仮縫いをシーチングなどの別生地で行うと、お客様にとってリスクが伴います。
どういう事かと言うと…
着物生地とシーチング生地の違いによる仕上がり時の違和感です。
違う生地でフィッティングをするのですから、本生地との多少の違和感があって当然ですよね。
その"差"を無くす意味で本生地で仮縫いをするのです。
もう一つは"柄合わせ"の問題です。
別の生地であるシーチングでの仮縫いは、お客様側で柄合わせのチェックが出来ません。
実質、お店まかせになりますよね。
仕上がった後で「こんなはずでは無かった」と思っても、後の祭りです。
本生地で仮縫いフィッティングすれば、柄合わせも同時にチェック出来ます。
以上のような理由で、当店では本生地(実際のお客様の着物生地)で仮縫いフィッティングをしているのです。
さらに…
着物生地を"切らずに"仮縫いを行います。
これは、いかなる変更への対応も可能にする為です。
世界に一つしかないお客様のお着物をリメイクするのです。
いかなるミスもあってはなりません。
このような考えで、あえて「本生地(お客様の着物)を切らずに仮縫い」をしております。
生地を切らずに仮縫いをすると、継ぎ部分にはどうしても生地がかたまりますので、フィッティングの際に多少のゴワゴワ感があります。
しかし、それでも別の生地でフィッティングをするよりは、
「より本番に近い着心地」になるし、
「同時に柄合わせのチェックも出来る」のです。
もちろん、着物生地を切らずに仮縫いをする事は、手間と技術を要する作業です。
しかし着物リメイクにおいては、お客様の為を考えればあらゆるリスクを回避した方法である
「お客様のお着物を切らずに仮縫いする」のが正しい仮縫いのやり方だと考えています。