終活…死に装束を考える
2015/04/03
死に装束といえば仏教徒なら経帷子(白装束)ですよね。
ただ、この死に装束が最近女性の間で静かに見直されつつあります。
それは、「葬儀屋さんの用意した白装束は嫌だ」という近年の女性達の声(願望)だからです。
●最期ぐらいは自分のお気に入りの衣装を羽織って逝きたい…。
考えてみると、ごく当たり前の願望だと思います。
そうした世の女性の声からエンディングドレス(フューネラルドレス)というものが、ここ10年ぐらい前に生まれました。
今では一部の葬儀屋さんにもオプションとして用意されています。
また最近ではTVや新聞でも取り上げられていますね。
つい先日もTVでエンディングドレスの特集があり、当店へのアクセスが異常に増えたことに驚いています。
本日は、このエンディングドレス(フューネラルドレス)は、ご自身がお持ちのお着物を仕立て直すのが"本筋"ですよ、というお話です。
その昔には、女性が妊娠するとまず真っ白の絹の反物を準備し、赤ちゃんが生まれるとそれを産着にして使い、また反物にもどして今度は結婚の際の白無垢に仕立てて使用し、また反物にもどして最後はそれを死に装束に仕立てて使用していた、という事を何かの文献で読んだことがあります。
それはまさに私達が提唱している、「エンディングドレスを最期の衣装とするならば、ご自身のお着物を仕立て直す」という考え方と完全に一致します。
お手元に良質のシルク生地(着物)があるのに、何故わざわざサテンやオーガンジーの既製の生地でエンディングドレスを仕立てる必要があるのでしょうか?
もっと言えば…
今お手持ちのお着物は「想い出」の詰まった「記念の着物」であるはずです。
そのほとんどは、ご両親が用意してくれた「ありがたいお着物」ではありませんか?
今、私達の世代はもう着物は着ません。
だからこそ私は、
●着物を着なくなった世代の責任は…
別のカタチでその着物を活かす事。
だと考えています。
私はリサイクル着物屋時代に、お手持ちの着物を売りに来られるお客様を数多く見てまいりました。
その方々のお顔は皆さん一様に寂しそうな、あるいは落胆されたお顔をされておりました。
何故でしょうか?
それは、「高価な着物を無駄にした」からに他なりません。
そうです。
着物を無駄にすると必ず、後悔したり、落胆したり、寂しい気持ちになったりするものです。
エンディングドレス(フューネラルドレス)をお考えの方は、
どうか、ドレスへの憧れだけではなく、まず、ご自身のお着物を活かす方法として、ご自身のお着物で作れないかを考えてみてください。
イメージが湧かないなら是非当店にご相談ください。
「振袖」「訪問着」「留袖」「小紋」…
どんなお着物でも、デザイン次第で素敵なエンディングドレス(フューネラルドレス)に生まれ変わりますよ。