綺麗ですよ!…裏地付きの日傘。
2015/05/14
想い出の七五三の着物を日傘にリメイクさせていただきました。
お着物に、赤の裏地が付いていましたので、その裏地をそのまま日傘の裏地に流用するようお薦めをいたしました。
裏地付きの日傘は何と言っても"綺麗"です。
一枚もので作る日傘とは比べようの無いほど美しいと思います。
着物リメイク(着物リフォーム)の日傘は、TVでも度々紹介されていて、今では着物リメイクでの定番商品になりました。
しかしながら…
私が残念に思うのは、ほとんどのリメイク店では、"ただ日傘に作り変えている"だけだという現実です。
そこに、"創意工夫"がない事が残念でなりません。
日傘の骨に着物生地をはるだけならば、着物リメイク店の存在価値はどこにあるのでしょうか?
手間代(縫製料)だけいただいて、何も考えず、ただお客様の着物1枚のみで淡々と日傘を受注して仕立てる…。
それで良いのでしょうか?
お客様は美しいモノを求めておられます。
たしかに着物を日傘にリメイクした時点で、その日傘は美しいと思います。
なにしろ元は着物なのですから、当たり前のごとく綺麗です。
お客様は、それだけで満足されます。
ただし…
それは、"より美しいモノ"(案)を知らないからです。
そこを、教えて(薦めて)差し上げるのが、着物リメイク店の仕事(存在価値)なのだと私は常々思いつつ仕事をしています。
もちろん、一枚仕立ての日傘で良い、というお客様もいらっしゃるでしょう。
いろんな選択肢があって良いと思います。
大切な事は、お客様の選択肢を増やして差し上げる事、ではないでしょうか。
特に"日傘"というアイテムは、形の選択が出来ない商品です。
そして、ほとんどのお客様は一枚物でしか出来ない、という固定概念がある商品です。
「この着物で日傘を作る」
ではなく
「この着物で、どんな日傘を作る?」
という姿勢こそが、モノ作りのプロフェッショナルだと思っています。