【着物リメイク 洗濯】…と検索して思うこと。
2015/10/30
着物を洋服にリフォームする場合に、お客様が一番気にされる事…
それは、「洗濯はどうすれば良い???」です。
そりゃぁそうでしょう、当然の疑問だと思います。
着物そのものは、化繊でもない限り家庭では洗えませんよね。
「洋服にリメイクするのは良いが、その都度高いクリーニング代が必要になるのかなー???」
10人中10人が、この疑問を抱くはずです。
ところが…
実際にGoogleで、「着物リメイク 洗濯」と検索してみると…
●ヒット数は、126,000件(まあまあ検索ニーズがある、という数字です)
にもかかわらず…
●トップ10(検索1ページ目)に有名な着物リメイク店の記事はほとんどない。
という悲しい結果が出ます。
これ、どういう事かと言うと…
面倒な問題には触れずにおこう、という着物リメイク業界の悪しき体質だと私は思います。
まさに、「臭い物には蓋をしろ」という訳です。
まだオープンして3年目の当店の記事がトップに表示されている事からも、着物リメイク業界が如何にこの問題を避けて通ってきたかが良くわかります。
ただ、まったく触れていない訳ではありません。
「ドライクリーニングをお薦めします」
と言った簡単な一言ですませているところが多いのです。
(私に言わせれば、着物生地にドライクリーニングは危険性もあります。あとで記述します。)
着物リフォームで一番ニーズがあるのが、洋服へのリメイクです。
という事は、「洗濯の問題」と真摯に向き合わずして着物リメイク市場の拡大は有り得ない、と私は思います。
ただ、この洗濯の問題は一口に「出来る・出来ない」で説明できる単純なことでもないのです。
着物の生地は千差万別。
その生地その生地で個別に検証して対応する必要があるのです。
この面倒さと、自店のリスク回避の為に、なんでもかんでも「ドライクリーニング」に逃げる風潮が着物リメイク界の現状であるわけです。
いや、私が言わなくても、すでにお客様には見透かされているのかも知れませんね。
仕立て代の高さと、メンテナンスのし難さ…
この二つが、着物リメイクしたいけど二の足を踏む要因だと感じます。
仕立て代をリーズナブルな価格にするのは不可能に近い話です。(海外縫製にすれば出来なくはないですが出来栄えの保証はありません。)
しかしメンテナンス(洗濯)に関しては、私達リメイク屋の姿勢である程度解決できると感じています。
着物リメイク洋服の洗濯…
よくある質問の中でも、トップ3に入る事項ではないでしょうか。
私達、着物リメイク屋がそこから逃げていては話になりません。
PS.
ドライクリーニングの利点は「縮みにくい」ことだけです。
変色の恐れがあることが大きな欠点(リスク)になります。
ドライクリーニングは、油で油汚れを落とす手法です。水溶性(汗しみ)などは落ちません。クリーニング後の残留溶剤や汗じみが変色(黄変)を招く恐れが多々あります。
※ わかりやすい例として、白のカッターシャツをドライクリーニングしてしばらくして着ると黄ばんでいた、という経験がある人は多いはずです。