2016/01/16

私達プロが、着物リメイクの縫製をする上で最も大切なことは何でしょうか?
※以下は、「一定以上の縫製技術がある」、とした上で書きますね。

断言しましょう。
それは…「縫う人の性格と環境」、です。

具体的に説明しますと、以下に当てはまる人です。

　　①　一定以上の縫製技術がある人
　　②　洋裁が好きな人
　　③　几帳面な人
　　④　報酬を生活費にあてる必要のない人

他にもありますが、少なくともこの4つの事はとても重要です。
実際に当店の縫製スタッフも、例外なくこの条件を満たした人たちです。

この中で特に重要な条件が、④の「報酬を生活費にあてる必要がない人」という事です。

この事について少し掘り下げて考えてみましょう。

私達の仕事である着物リメイク業の大きな特徴として…

　●すべての制作物は一点物である。

という事があります。

同じ物を作るにしても、「生地の取り方」、「柄取り」、「生地の厚さの違いによる芯材の選択」、などなど、
全く同じ物はない、と言っても過言ではありません。

これ、どういう事かと言うと…

まったく同じ形の物でも制作にかかる時間が異なる、という事です。
極端な話、かたや半日で完成したが、かたや丸一日かかった、というような事は日常茶飯事なのです。

　　同じ人が同じような物を2点作ります。
　　しかし、渡された生地の違いによって、
　　A品は半日で完成、B品は丸一日かかった。

これ、生活の糧としての労働収入と考えた場合、納得がいくでしょうか?
不満ですよね。

通常、着物リメイク業界の縫製代は成果報酬型です。
　　例えば…「バッグ1点を一から仕上げて、いくら」
という契約の仕方ですよね。

同じ商品でも、「縫う人によって」完成までに費やす時間はまちまちです。
同じ商品でも、「生地柄によって」完成までに費やす時間はまちまちです。

そんな性質の仕事ですので、報酬を時間や縫う個数で考える人には向かないのです。

仕事を依頼する側の私達も、時間で仕事をされる事を嫌います。
お客様の大切な着物をリメイクしますので、何をさておいても「仕上がりの美しさ」が第一だからです。

このような理由で当店いにしえでは…

　　洋裁が好きで、
　　世間の常識をわきまえ、
　　几帳面で、
　　経済的にゆとりのある人。

これらの条件にプラスして、
ミシン技術がプロ級の人と、
当店では契約させて頂いております。