裏地など、メイン生地以外の生地使いは、超大切ですよ。
2016/06/15
オーダーで着物リメイクする場合は、
皆さん、お手持ちの着物をリフォームする訳ですので、
いわば、「メイン生地に選択肢は無い」わけです。
「この着物を、これにリメイクしたい」
と、私達リメイク店に依頼されますよね。
この時点で…
お客様も、私達も、完成品のイメージは
ほぼほぼ頭に描けているはず、ですよね。
だって、「この生地で、これを作る」という事まで決まっているのですから。
例えば…
柄の位置や取り方、柄合わせ等を考える必要はありますが、
それは当たり前の事で、
そこを考えないリメイク店はありませんよ。
ところが…
裏地(見えない部分)となると、
市販の安い生地を使用する、あるいは、着物の裏地を使用する(多少、汚れていても)
といったような事が多々あることは否定できません。
私は常々思っているのですが、
メインの生地がお客様の着物である以上、どんな物が出来上がるのかは、依頼された時点で想像がつきます。
正直…
「この着物で、これを作るのは、やめといたほうが…」
と思う事案もあります。
ただし、着物リメイクの本質とは
「想い出を別のカタチに変えて活用したい」
という事だと思いますので、
たとえ、その着物でこれを作るのが合っていなくても、
その方にとっては、「見栄えではない」ことは充分理解できます。
そのような場合でも、「何とかする」のが、
着物リメイク職人だと考えています。
その時に大切なのが、
「裏」や「中」などの"見えない部分"なのです。
見えない部分を綺麗に仕立てるのです。
見えない部分は見えないのではなく、見えます。
着物の生地は、ほとんどがシルクです。
着物の生地には、市販の安い生地は合いません。
●着物生地には着物生地で合わせる
これが、粋で綺麗なリメイク品に仕上げるコツです。
ただ、先にお話ししましたが…
お客様側も、
お手持ちの着物の中で、合う着物があるとは限りませんし、
リメイク店側も、
さまざまな着物生地をとり揃えているとは限りません。
ですが…
当店いにしえでは、それを実現可能にしています。
何故なら…
当店は以前、リサイクル着物店だったからです。
大量のリサイクル着物や帯を在庫しており、
その中から、お客様の生地にベストな組み合わせをチョイス出来る、
という利点が当店の特徴となっています。
写真の作品も、
表地はお客様の着物生地、
裏地は当店の在庫着物生地を使用しています。
ドンピシャに合う生地というのは、
簡単にあるようで、なかなか無いものですよ。