全通の袋帯一枚でどれだけの品数がリメイクできるのか?
2017/10/20
帯の中でも全通の袋帯は高価で数も少なく、持っている方はその帯への想い入れは強いと思います。
ちなみ「全通」とは帯全体に柄が入っている帯のことです。
この全通袋帯をリメイクする場合、どれだけの量をリメイクできるのでしょうか?
あるお客様の事例で紹介したいと思います。
写真はかなり古い全通袋帯の生地を余すことなくリメイクした例です。
クッションカバー45㎝角 4
ご祝儀入れ 10
トートバッグ 1
テーブルセンター 1
扇型の敷物 4
ティッシュボックスカバー 1
フラワー薔薇 10
これで生地はほとんど全て使い果たしました。
掌にのる程度のこま切れが残っただけです。
この帯はお客様のお身内のもので戦前のものでした。
祝儀入れ10個で形見分けをされ、残りをインテリア系の小物やバッグにリメイクしました。
写真を見てお解かりのようにメインの紫の帯以外に、サブとして黒紋付き用の帯も使用しています。
お客様へのアドバイスとしては、
① 紫の袋帯だけで作ることは可能ですが少々派手過ぎるという点。
(特に祝儀入れ、トートバッグには派手です)
② 形見分け10点とご自宅のインテリア品を作るには生地が足りない。
という事をご指摘させていただき、別の黒帯をご用意いただきました。
結果として紫の全通袋帯をメインとして、これだけの品数にリメイク出来たのです。
着物リメイクは本当に「ケースバイケース」。
お客様の希望
実際の着物や帯の検証
作る品数
サブとして使用する生地
予算
私達のアドバイス
これらが複雑に絡み合い、その中からベストな選択をする事が良い着物リメイク体験にする秘訣だと思います。
着物や帯は、その人にとって「想い入れの強い品」と言えます。
なので「生地を余さずに使いきってほしい」という人は結構多いです。
でも、「何が何個作れるか」という事は、まったく解からないですよね?
ぜひ参考になさってください。