着物リメイクで最も頭に浮かばない黒紋付(喪服)の最適なリメイクとは?
2018/11/27
着物リメイクと一口に言うけれど、着物の種類は多種多様です。
「黒紋付き」「留袖」「訪問着」「付下げ」「小紋」「振袖」と、着用するシーンによって着る着物のいわば"格付け"がされています。
この中で、あなたはどの着物をリメイクしますか?
実は、色柄を問わず一番リメイクし易く、またリメイク後の使い勝手が非常に良いのが黒紋付き(喪服)リメイクです。
ところが、この黒紋付き、
ほとんどの人の頭の中に「リメイク出来る・する」という意識がありません。
きっと、あなたもそうではないでしょうか?
なので今日は、この黒紋付き(喪服)リメイクについて考えてみたいと思います。
黒紋付き、いわゆる家紋の入った黒無地の着物(喪服)です。
これには専用の帯もセットでお持ちのはずですね。
この専用帯には綺麗な"地模様"が入っています。
このような黒紋付きは、最近では葬儀でも着ることは少なく、着るとしてもレンタルのほうが便利なので、ほとんどの人は"箪笥の肥し"状態だと思います。
もったいないですよね。
高価な黒の生地(たぶんシルクだと思いますよ)
実は、黒紋付やその帯はとても使い勝手の良い着物リメイク品になるんです。
"黒"という色の特徴が、それを実現させているんです。
黒色の特徴としては…
顔を選ばず
体型を選ばず
年齢を選ばず
性別を選ばず
という点ですよね。
そう、「何にでも合う」「誰にでも合う」のが黒色の特徴なのです。
なので、着物リメイクにおいても何にでもリメイクでき、誰にでも合うモノが作れる、という訳なんです。
黒紋付きの特徴を活かしたお薦めのリメイクとしては
「ブラックフォーマル&バッグ」にすることです。
着物(黒紋付き)のままでは、もうお葬式に着ることもほぼないでしょう。あるにしてもレンタルで済ませたほうがアフターケアもしなくて良いので楽です。
でもブラックフォーマル(洋服)に作り変えておけば、歳を重ねるごとに着る機会も増えるはずですよね。
●着物の喪服を→→→フォーマルウェアに
●喪服用の帯を→→→フォーマルバッグに
これが黒紋付と帯の、現代社会に合わせたリメイク法です。
さらに、黒紋付きには「家紋」が入っているのでリメイクする際、さりげない位置に配置すればなお良いと思います。
あと、黒紋付用の帯をバッグにする場合は、普段使いも出来るような作り方をすると良いです。
① なにしろ真っ黒なので、デザインに変化をつける
② 基本、A4サイズのものが入る大きさで作る
個人的には、バッグでは②がとても重要だと思っています。
着物や帯は反物から作られているので、解くと生地の幅は30~35㎝しかありません。
帯の地模様はタテ方向なので、生地をヨコに使うことは出来ません。
なので、反物幅のまま生地を足すことなくリメイクすると、かなり小さいバッグになります。
かと言って単純に生地を足すと、そこに継ぎ目(ミシン目)があるためダサいバッグになりますよね。
そこで…
① なにしろ真っ黒なので、デザインに変化をつける
② 基本、A4サイズのものが入る大きさで作る
この真っ黒&反物幅という二つのマイナス点をカバーするために作ったのが、写真のデザイントートバッグです。
トートバッグとはいえ、中材に衝撃緩和材を使用し、しっかりとした造りですのでフォーマルな席でも安心してお持ちいただけます。
一見してリメイクのしようがないように思える黒紋付とその帯ですが、
高価な生地なのにもったいない
リメイク後の使い勝手がよい事
こういう事を真剣に考えることで、必ず方法が見えるものです。
「着物を着なくなった世代の責任は
せめて着物の生地を有効に活用する」
こういう意識の人が増えてほしいと願っています。
その箪笥の中の着物は…
いくらしたの?
誰が買ったの?
今後も着るの?
こういう事、普段は忘れているでしょうが、
ふとした時、箪笥をあけた時にでも、
このブログのことを思い出していただくと嬉しいです。
今日のブログは喪服リメイクの一例でしたが、
このブログの根本で、すべての記事に共通することは…
着物を着なくなった世代の責任は、着物の生地を活かす事
なぜなら、その着物には両親の想いが詰まっているから
このことを忘れてはいけない、と思います。