着物リメイクで「知識」「経験」「実績」って本当に大事なの???大事なのは●●●でしょ!
2017/04/07
着物リメイク品の出来栄えは、生地の「取り方」で決まると言っても過言ではありません。
着物リメイクでは、無地の着物をリメイクすることはほとんどありません。
無地の着物は元々数が少ないし、リメイクしても見栄えに乏しいからです。
当店でも喪服以外の無地の着物は、リメイクした記憶がほとんどありません。
無地の着物の中古在庫はたくさんありますが、メインで使用することはなく、たいていはサブ的に生地を付け足す場合に使用しています。
なので、着物リメイクでは、「絵柄」「図柄」「模様柄」「地模様」「折柄」「刺繍柄」など、いろんな種類の柄がある着物を使用する場合がほとんどです。
では、本題に入ります。
着物の生地の幅は、反物幅の35㎝前後しかありません。
しかも、すべて柄は35㎝幅の上下方向(縦)に向いています。
一部の(生地を横に取っても違和感のない柄)着物以外は、必ず縦方向に生地を取らないといけません。
このような制約のある中で、洋服・日傘・バッグ・クッションカバーなど、一辺35㎝より大きな品物にリメイクするのですから……
生地をどこで継ぎ足すのか
どんな縫製方法で生地を継ぎ足すか
どこの柄を使用するのか
柄が違和感なく繋がるか
等々、一つの着物リメイク作品の設計図(レシピ)を作り上げるには、さまざまな問題をまるで「パズル」のように頭をフル回転して考え、解決しないといけません。
ここで妥協してしまうと、良いリメイク品にはならないのです。
せっかく大切な着物にハサミを入れ、何かにリメイクして自分で使用されるのですから、「大きさ」「柄合わせ」「色合わせ」など、完璧な作品にしたいと思うのが自然だと思います。
ご自身で仕立てる場合も、リメイク店に依頼する場合でも、「設計の段階」に時間をかけることをお勧めします。
よく考えてみてください。
着物リメイクに限らず、オーダー商品と呼ばれるものは(注文住宅も含めて)、「設計」に力を入れるほど良い物が出来上がるとは思いませんか?
これから着物リメイクをお考えの方は、「設計力」の高いお店に依頼されると良いと思います。
いろんなお店のホームページに掲載されている着物リメイク品の写真を、くまなく見ることです。
個人の主観的な差はありますが、良い作品は大抵の人が良いと感じるはずです。
そんな作品を掲載しているお店を探してオーダーの依頼をしてください。
あと、
設計力が高い、生地の取り方が上手という事は、縫う前の下準備に時間をかけているという事です。
着物リメイク品の完成までは
① 着物をほどいてアイロンをかける
② 生地取り(設計図)を考える
③ 裁断する
④ 縫う
この4段階の工程です。
この中で①と③と④は、どちらかと言えば【作業】になります。
②だけが【考える仕事】ですよね。
ここで決めた通りの作品になるわけで、
すべてはここで決まります。
それには、
知 識
経 験
実 績
これって、大事ですよね?
でも、待ってください
本当に大事でしょうか?
私は、そうは思いません。
なぜなら、知識や経験や実績というのは
何年かすれば皆、「ほぼ横並び」になると思うからです。
着物リメイクのような「創造的な仕事」では
それらより、ずっと大事なものがあります。
それは【センス】です。
センスが良ければ、生地の取り方も上手いはずです。
センスが良ければ、色の合わせ方も上手いはずです。
センスさえ良ければ、
あとは、その通りに作る技術があれば
美しい着物リメイク品になるのです。