あなたはどっち?ブランド派or庶民派…着物リメイク服の話です
2018/04/13
着物リメイクで洋服を作る時、
二通りの人がいるように感じています。
・オーソドックスな形で作る人
・デザインにこだわりのある人
です。
一方で
私達、着物リメイク店も二通りのお店があります。
・庶民派のお店
・デザイナーズブランドのお店(オーナーがデザイナーの場合が多い)
です。
ちなみに当店は、庶民派の着物リメイク店です。
では、二つの違いは何でしょうか?
それはズバリ、「服のデザイン」と「価格」です。
デザイナーズブランド店の場合、
そのオーナー兼デザイナーの人が無名・有名にかかわらず、その完成品にはスッキリ感・オシャレ感が確かにあると思います。
その分、価格は高いわけです。
なぜなら、それはオーナー兼デザイナーの人が考え抜いたデザインであり、構想や試作に膨大な時間を費やした商品だからです。
一方で、庶民派のお店は、
オーソドックスなシルエットの服を基本として作っています。
多少のアレンジには対応しますが、がらりとデザインが変わるような依頼には対応しづらいです。
そのスキルが無いから、ではありませんよ。
スキルがなければ「外注」すれば良いだけの話ですから。
問題は「価格」にあります。
例えば…
「ワンピースを3万円前後で作ってほしい」人がいるとします。
もちろん出来ますよ。
しかしそれはオーソドックスな形のワンピースです。
具体的にいうと、「当店に型紙のあるワンピース」という事ですね。
ところが、こんな人がいます。
「こんなイメージで作ってほしい」と写真を送ってきます。
出来るのですが…
当然、価格は跳ね上がりますよ。(たぶん3倍以上に)
「こんなイメージで作ってほしい」というのは、白紙の状態から作る、という事です。
送ってきた写真を見て
① 頭で構想を考え
② イラストを書き
③ 仮の型紙を作り
④ 試作して
⑤ 訂正して
⑥ 最終の型紙を作り
⑦ 仮縫いをして
⑧ フィッティングをしてもらい
⑨ 型紙を微調整して
⑩ 本縫いする
オーソドックスな形の服なら⑦~⑩の工程で済みます。
でも「こんなイメージで作ってほしい」のであれば、①~⑩すべての工程が必要になります。
だから価格が跳ね上がるのです。
ただし中には、それでもいきなり仮縫いをするお店もあるかも知れませんが。
私に言わせれば、たぶん「安かろう悪かろう」です。
考えてみてください。
設計図も無しに、いきなり作るのですよ。
失敗する、あるいはイメージが違う、確率はかなり高いです。(私の予想では70%以上)
今日の記事で、何が言いたいかというと…
着物リメイクをする際には、あなたが
庶民派(オーソドックスなデザインの洋服で良い)、なのか
ブランド派(洋服のデザインにこだわりがある)、なのか
これを、まず考えてほしいという事です。
庶民派であれば普通の値段で出来ますが、
ブランド派であれば高額になるのは覚悟してください。
あるいはデザイナーズブランドのお店に依頼してください。
という事になるかと思います。
今の時代、一日働けば日当は約1万円~1.5万円ですよね。
その服を作るのに何日かかるかを想像してみてください。
少しはご理解いただけるのかなと…思います。
一般的な価格(いわゆる基本料金)で自由自在にデザインを変更できる、と思っておられる方が多いので、やむを得ず書きました。
どうかご容赦を…。
PS.
「これと同じに作ってください」
と現物見本を送ってくる人もいます
作る事(技術的には)は可能なのですが…
実は、これが結構微妙な問題でして
何でもそうですが
「物」には作った瞬間に「著作権」が発生します
着物リメイクの場合は依頼者が使用するので
依頼者は営利目的の著作権侵害にはならないはずですが
作った側は利益を得ているので「微妙な立場」に立たされます
この場合、どこか一部分は変えないといけません
そっくりそのまま作る、のはアウトです
ましてや、それが有名ブランドのものなら
一部分を変えるとしても当店では受けていません