着物リメイクで一番大切な事はこれ!…(たぶん意外な事ですよ~)
2019/07/01
■着物リメイクって何なの?
自分にとって大切な着物を「再生し再利用する」ことです。
高価な買い物をした割には
人生で一回しか使っていない
でも、その一回がとても大切な想い出である
あるいは未使用のままの着物もある
この賃金の上がらない時代になんと罰当たりな事か。
でも今の時代、着物のままでは利用する事すら出来ません。
その”宝の持ち腐れ”である着物を別の形にして活かすのが着物リメイクです。
■どんな仕事をしてくれるの?
これは、その道の「職人」とでも言いましょうか。
和○総本家に出てくる「和物の再生職人」いますよね?
あれに近い仕事です。
「えっ、着物を解いて別の物に縫い直すだけじゃーねーの?」
と思う人もいるかも知れませんが…。
確かにそうなのですが…
そこには、いろんな「制約」があるのです。
・一枚一枚、生地の種類(特徴)がまったく違う
・生地の幅が約30㎝しかない
・柄を合わせる必要がある
・洋服はその人の身体に合わせる必要がある
・シルクなので非常に縫いにくい
など、一般の縫製仕事とは全く違います。
私の知る限り、ミシン縫製の仕事の中では一番技術を要するのが着物リメイクだと思います。
同じ形のものを作っていても生地・柄・サイズはそれぞれ違うので、どれ一つとして同じ作業をしているという感覚はありません。
本当に”一点物”を一つ一つ丁寧に作っている、という感覚ですかね。
これが、和○総本家に出てくる「和物の再生職人」に近いという理由です。
■その着物と、これから作る物を検証する
着物のどの部分をどこに使い柄はどこにもっていくか、などを実際の着物全体を見ながら決め込んでいく作業です。
ここで良し悪しが100%決まる、と言っても過言ではありません。
着物リメイク品は、ここが全てです。
いわゆる「設計図」ですね!
ここがしっかりしていれば、その着物リメイク品は”美品”となります。
(もちろん縫製が上手であるのは絶対条件ですが)
そして、この作業には
①センスの良し悪し
②妥協ラインをどこに置いているか
これが大きくかかわっているのです。
■センスの良し悪し
これは言わなくても分かりますよね?
人の主観には”個人差”がありますので、設計図の作り手によって左右されます。
センスの良い人が設計すれば美品になりますし、そうでなければ凡品となるでしょう。
実に単純な話です。
■妥協ラインをどこに置いているか
正直、これが一番大切な事だと思っています。
完璧な品は、そう簡単には作れません。
それは着物リメイクだからです。
材料(布)をどこかで自由自在に選別して調達が出来るなら完璧な品は作れます。
でも、「この布(着物)で」「生地幅30㎝で」「柄はこれ」
となると設計図を作る段階で、
どこかで妥協しないといけない部分が必ず出てきます。
でも考え続けていると
「完璧ではないけど、これが今回の着物リメイクではベストだ」
という設計図が頭に浮かぶものなのです。
この
「妥協ラインをどこに置いているか」
言い換えると
「妥協するまでの考える時間の長短」
これが、着物リメイクでは一番大切な要素だと思います。
結論
着物リメイクで最も大事なこと
それは
考える力 でした。
PS.
時間=お金である
という昨今のドライな考え方があります
もちろん私もそう思います
だからこそ
短時間でひらめくセンスが大切です
だが、それには
経験をつむ、という事がかなり大事
ほんと
継続は力なり
ですね!