あなたの着物の”大切度”に見合った「着物リメイクの方法」とは?
2017/11/03
「その着物の大切度に見合ったリメイクをする」
これ、着物をリメイクする側としてはとても重要な事だと思っています。
あなたにとって一番大切な着物は何ですか?
たぶん
・自分の振袖
・母の形見の着物
ほとんどの人は、このどちらかではないでしょうか。
他の着物も大切なことに変わりはないですが、この二つの着物は「特に大切」なのではないでしょうか。
では、少し話をそらせますね。
着物一枚 → コートに
着物一枚 → 日傘に
着物一枚 → バッグに
これ、着物の大切度とリメイク品のバランスを考えた時、吊り合って(見合って)いるでしょうか?
かなりの生地が余ります(半分以上)
着物としてはもう着る事が出来ません
元の着物の価値は数十万円です
元の”着物の大切度”を考えたら少し悲しくないですか?
というのが今日のブログで伝えたい事です。
元の着物は、価値としては数十万円します。
それと「その着物に関わった人の想い」も考えると、あなたの着物の大切度は高いと言わざるを得ませんよね。(振袖や形見の着物であれば特に)
その着物一枚をリメイクする際に、一品のみにリメイクする、そして、その多くをハギレ状態で残して良いのでしょうか?
小紋などの普通の着物や羽織りであれば、それでも良いと思います。
お金もかかる事ですので…。
でも
それが大切度の高い着物なら、どうなんでしょう。
その人の懐事情による事なので、あまり多くを語りたくない気持ちもあるのですけど…
あえて言えば、もったいないです。
「活用する為にリメイクするんだけど、その為に多くの無駄を出す」
と言えば解かりやすいでしょうか。
その着物が大切な着物であればあるほど、そうなると本末転倒ですよね。
大切度の高い着物をリメイクする時は「生地を無駄にしないリメイク」をしてほしい、というのが私の本音です。
(※自店の売上げをアップする為に書いているのでは?という誤解を恐れずに書き進めていきますね。)
今現在、手持ちの仕事の中にも「着物一枚すべてを使いきったリメイク」というお客様が何人かおられます。
その人達に共通しているのが、
お金(出費) < 気持ち(想い)
ということだと感じています。
大切な着物なのでお金の事は二の次なのでしょう。(気になっているとは思いますが打ち合わせ時には一切、価格を聞いてきません)
考えてみると…
振袖であれ、形見の着物であれ、その他の着物であれ
自分で買った着物は少なくて
ほとんどの着物は「親から贈られた着物」であるはずです
しかも数十万円、または百数十万円という品物です
これも、親から子への
お金(出費) < 気持ち(想い)
という事ではないでしょうか。
大切な着物を、親から贈られた日から数十年がたち
今度は、自分が親になってみて気付いた事
これを素直に行動に移した人が、上記の人達なのかなと感じます。
つまり
親から贈られた着物(または形見の着物)は超大切
だけど着る機会がないので活用しようにも出来ない
このままでは恩を仇で返すことになりかねない
そうだ! リメイクして活用しよう
ただし、親が家計をやりくりして買ってくれた着物なので
少しの生地でも無駄にしたくない
お金はかかるけど、すべての生地を使いきろう
という心からの行為が
その人にとって「着物一枚を使いきったリメイク」になったのだと思います。
親から子へ…そして…子から親へ
お金(出費) < 気持ち(想い)
この「世代間の想いの継承」は本当に美しい限りです。
着物という品の成せる業だと、強く感じます。