バッグ・小物・テディベア(S様、O様、H様)
羽織からトートバッグ&エコバッグを制作しました。この羽織は部分的に「透かし織り」されていて裏地が透けて見える仕様になっていました。リメイクする際にそれをそのまま利用したほうが良いと考えて完成したのが写真のトートバッグとエコバッグです。着物リメイクするお客様は「その着物を所有していた想い出」を残したいと考えています。その着物の特徴をそのまま活かしたリメイクが、その方にとって最良のリメイクとなります。
透かし部分を拡大した写真です。遠目にはわかりずらいですが、近くで見ると透かしデザインとわかります。一見、何の変哲もないトートバッグですが、よく見るとお洒落。オシャレ感を前面に出さないお洒落。特に50才を過ぎた方は派手なものは好まない傾向にあります。実は着物自体も「地味な中のお洒落」という考えの基に作られているものが多いです。これは日本人の文化だと言えますよね。
続いて上のトートバッグの中の写真です。中袋には「朱赤」を選びました。真っ赤では派手過ぎますから。そしてファスナーポケット部分の生地は、表と同じ羽織りの生地を使用。中央に「家紋」が配置されるように考えて生地取りしています。表と真反対の色を裏地に使うのは良いのですが、派手過ぎない色合いにする必要はあります。
こちらは着物リメイクではありませんが、ご自身の趣味で織った生地でトートバッグを仕立ててほしい、というご依頼でした。ストライプ柄というのは着物ではあまり見かけません。一部、古い着物で見かける程度です。ストライプ柄の特徴として、どんな物を作る場合でも「縦じま」として柄を配置したほうが良いと思います。表生地が比較的派手ですので、中袋には控えめな色をチョイスしています。
想い出の着物をトートバッグ、テディベア2体、巾着大小セットにリメイクさせていただきました。テディベアは男の子と女の子で、それぞれ肉球・リボンの色を少し変えています。男の子は黒、女の子はエンジ色。こちらもあまり派手な色は禁物です。男の子だから青、女の子だから赤、といった安易な考えで決めないほうが良いと思います。表生地はお客様の着物生地なので変えようがない分、裏生地に注力するのが私達の仕事です。
2020/07/02
本日はトートバッグを中心にお客様の着物リメイクの事例を掲載しました。
このコロナ禍でも日々、リメイクのご依頼を感謝申し上げます。
ご自宅にいる時間が多くなっていますので、ご自身の着物に想いを馳せる時間もあろうかと思います。
そんな時は、まずお着物を箪笥から出して風を通してあげてください。
こんな機会でもない限り、箪笥に仕舞いっぱなしにされているのではないでしょうか?
箪笥から出すのも面倒な方は、せめて箪笥の引き出しを一日中あけてください。
着物は、ご両親から揃えてもらった方がほとんどかと思います。
その着物には、ご両親のあなたへの想いが詰まっている事と思います。
現代社会で着物を着る機会がないのは仕方のない事です。
あなたと同じように「親に買ってもらった着物に日の目を当てたい」「このまま着ず仕舞いはあまりにも心が痛い」などと考えている方は多くいらっしゃいます。
私達にリメイクの依頼をされるお客様のほとんどがそうです。
このコロナ禍の時間のある日々に、リメイクを考えずとも、まずは着物に息をさせてあげてください。
箪笥の引き出しを開け、出来れば出して吊るしてあげてください。
そおしておけば、「今後に着る時」「娘様に譲る時」または「リメイクする時」にシミや虫食い穴などがなく、気持ちよく使用できますよ。
何よりもそういった行動が、あなたのご両親への感謝の気持ちに繋がると思います。