ワンピース・チュニック・日傘・バッグ(S様、H様、T様)
地模様入りの黒の羽織で、普段に着るワンピース・バッグ・ポーチをお揃いで作られました。普段着としての黒のワンピースは珍しいですが、それだけに目立ちますし柄も着物のそれと分かりますので品格があります。下の写真は拡大したものです。縁起物の柄ですのでパーティーや冠婚の場にも着用できます。もし柄が縁起物でなければ告別式はダメですがお通夜であれば着用可能でしょう。着る機会を増やすのが着物リメイクの目的です。
一枚の着物でジャケット・スカート・バッグの3点セットで作られました。こういった柄ですとフォーマルとしても、またちょっとしたお出かけ用のカジュアル着としても着用できますね。着物リメイクは元の着物の種類や色柄で、フォーマルかカジュアルか、また兼用できそうかを決める事も大切です。それまで仕舞っていた着物を、着る為にリメイクするのですから「この着物をどうリメイクすれば着るだろう」という視点は大切ですね。
チュニック・日傘・トートバッグの3点セットです。春夏らしい色合いの着物はこのようなセットにされる方が多いです。いつも言っている事ですけど、このようなコーディネートが可能なのは着物リメイクだからこそです。せっかくシルクの着物をリメイクするのですから生地を無駄にすること無く有効に活用してくださいね! このコーデは街で注目されると思いますよ~。
こちらもチュニック・日傘・トートバッグのコーディネートです。上の2枚の写真のネックライン(首元のデザイン)を見比べると形が違うのが分かると思います。このように、ネックラインに限らずその方の好みによりいろいろデザインを変えられるのも着物リメイクの良いところです。また右の日傘とバッグは全面に生地を使わずに部分的に抑えています。「いかにもコーデしてま~す」的な見られ方がイヤな方はこんな方法でも良いです。
2020/09/25
今回は、洋服&ファッション小物のお揃いコーディネートを中心に掲載してみました。
着物は洋服(上下)に比べ、1.5~2倍の生地量があります。
たとえば着物をワンピースにリメイクしても生地は約半分しか使いません。
この事をあなたはご存知でしたか?
何も考えずに(2点目、3点目のリメイク)ワンピースのみ制作を依頼した場合、生地のど真ん中に型紙を取る確率が高い為(そのほうが作業しやすい)、あとの品物を追加で依頼するのは困難となります。(広い面積の生地が残っていない)
※当店では、あとの事を想定して生地取りをするよう心掛けていますが。
要は生地をムダにしてしまうのです。
しかもシルクの高級生地を、です。
よく、
「いにしえさん(当店)は、なぜ一枚の着物でジャケット・パンツ・チュニックの3点も作れるのですか? 他では、出来ない、と言われました。」
といった事を言われます。
なぜ?と言われても、出来るから出来るのです(笑)
生地を工夫して取れば、出来ます。(中には出来ない着物もありますが。)
ですが「生地をムダに取らない」という事を常日頃から意識して仕事をしないと出来ないと思います。
昨日までやってない作業を今日やってと言われても、その作業を完璧にこなす事は難しいはずですよね。
あなたが3着をまとめて作ろうが、
今は1着だけど将来2着め3着めを作る予定だろうが、
たとえ今回の1着しか作らないとしても、
●出来るだけ広い面積の生地を残すべきで、どの人も生地の取り方は同じでなければいけないと思います。
作り手側である私達がやり易いように生地のど真ん中に型紙を取り、後々使えないような、いびつな形の残布をたくさん残すような事はあってはならない。
誰かの(あなたの)着物は、それだけ大切な品物だと思うからです。