着物リメイクエンディングドレス、化繊の着物はNGです。
色無地の着物をエンディングドレスにリメイク。各所にフリルをあしらったタイプです。着物の裏地の白生地もアクセントに活用しています。帽子(笠)・ポーチ(頭陀袋)・手甲・足袋は死装束には必須ですのでセットで作りました。尚、エンディングドレスを作る際の生地ですが、ポリエステルは避けたほうが無難です。理由は「燃えずに溶ける」からです。過去に火葬場でトラブルもあったようです。詳細は本文に書いています。
上と同じく色無地の着物ですが、こちらはより多くのフリルを付けて豪華に仕上げました。地色がクリーム系で地味でしたので、その分フリルでアクセントを付けた形です。帽子は薄くなられた御髪を隠すため、また首元もハイネックかタートルネックにして隠れるデザインにしたほうが良いように思います。全てのエンディングドレスは、着せやすいように背中側は全開でマジックテープ止めにしています。
こちらは訪問着をリメイクしたものです。訪問着や色留袖は「豪華な柄」が入っていますので、出来るだけその柄を活かしたシンプルなデザインで仕立てたほうが良いです。そのため、フリル等の飾り付けも最小限にしています。エンディングドレスは「生前に作っておく」事が基本ですので、いざその時が今と同じ体型とは限りません。それを考慮してゆったりめに作ってください。また、そのほうが着せやすいと思います。
色無地着物をリメイクしたエンディングドレスです。「シンプルに」というご要望もありましたので、多少のフリルとコサージュのみで仕上げました。エンディングドレスって、立って着るものではなくて、仰向けに寝て着る衣装です。しかも他者に着せてもらいます。上にお布団もかけます。そのような特異性を踏まえたデザイン・作り方をすることが大切です。
2023/02/18
これからエンディングドレスをご準備される方に、注意点をお話したいと思います。
私が思う大切な順番で書きますね。
① 燃える素材の生地(天然繊維)で作る
天然繊維とは、綿・麻・絹・羊毛・カシミア等の植物・動物繊維です。
従来の葬儀屋さんで用意されている死に装束はほぼ「綿」で出来ています。燃やした後の遺骨に影響しない為です。
一方で「ポリエステル」製など化学繊維の死に装束を使わない理由ですが、遺骨に影響する場合があるからです。
ポリエステル等の化学繊維は燃えずに溶けるのです。(プラスチックが溶けるイメージ)
その溶けたものが遺骨に付着して悪影響を及ぼす場合があるのです。
化学繊維にはナイロン・ポリエステル・アクリル・ポリウレタン等があります。
過去に火葬場でトラブルになった例もあるようです。
告別式には着せられていたけど火葬場で脱がされた例がある、といったニュースが最近ありました。
その理由が「遺骨に影響を及ぼす」というものだったようです。
私もエンディングドレスをいろいろ調べてみましたが、ポリエステルが使われているのが多いのでショックを受けています。
しかし具体的にそれに関して「法律」はありませんので、合法ではあるものの心配ではあります。
幸いなことに、私が手掛ける「着物リメイクのエンディングドレス」では、過去一度もポリエステルの着物をリメイクしたことはありません。
着物の場合はほとんどがシルクかウールの着物ですので。
これから、着物でエンディングドレスを作られる方は、正絹(シルク)かウールの着物をリメイクするようにお願いいたします。
市販のエンディングドレスをご購入される(された)方は、是非、各自治体に前もって問い合わせてみる事をおすすめします。
人生の最期にトラブルなんて絶対避けたいですよね~。
② シンプルデザイン&ゆったりめに作る
エンディングドレスは、ドレスとは言っても立って着る訳ではありません。
寝て着るドレスですよね。
しかも寝たまま他者に着せてもらいます。
それと、何年先に着るのかわからないドレスです。
これらの事から、凝ったデザイン、または奇抜なデザインにするのは???です。
葬儀屋さんの人が着せにくいですし、納棺後はたぶん掛け布団をかけた状態になりますので胸から上しか見えません。
あと、ゆったりめに作るというのは、
作った(買った)時の体型と、着る時の体型はたぶん違います。
太って死ぬ方はあまりいないと思いますが予測がつかない以上、現状ではゆったりめに作っておけば心配しないで済みますよね。
以上の2点を踏まえてエンディングドレスをご用意いただければと思います。