戦前の古い留袖生地を、和装時にも使えるトートバッグに。
2014/09/09
本日は、古い留袖の生地で、和装・洋装、どちらにも使えるトートバッグを作ってほしい、とのご要望で制作したバッグをご紹介します。
お客様いわく、100年以上前の曾おばあ様の留袖生地との事でした。
見るからに色あせていて、それなりに経年劣化した生地でしたので、非常に神経を使った作業になりました。
表地は、ところどころ色抜けが激しく、その部分を避けて柄合わせしましたので、おもての絵柄に若干の違和感がございますが、これは、いた仕方ないところです。
中は、お客様の別の着物生地と、当店の紅絹を組み合わせてお作りしました。
ポケット部分・見返し・持ち手の裏に紅絹を使用しています。
1種類の布で仕上げるのではなく、このように「中や裏」を一工夫することによって、「粋」な作品になると思います。
着物リメイクでは、表生地(着物)は完成された生地ですので、出来るだけそのまま使用することを心掛けています。
そのぶん、「中や裏」を一工夫して差し上げるようにしています。
「おもては上品に、うらは粋に」
という、昔ながらの着物文化をリメイクにおいても守ると、自然と良い作品になるような気がしてなりません。