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いにしえ流、「見えない部分こそオシャレに仕立てる」本当の理由

裏地は見返しまで全て着物です

持手の裏・見返しは紅絹です

流線型に生地を取り、・変形の外ポケットと、持手裏と見返しは共布です

斜めにデザインし、周囲に羽根を付けました

2015/04/26

当店ネットショップの商品や過去のオーダー品を見ていただくと、「洋服の裏地・見返し」「バッグの持手の裏・見返し」「敷き物の裏地」など、直接は見えない部分も、他の着物生地を使って華やかさを増すよう心掛けて制作しています。

加えて言えば、クッションカバー・バッグ等のデザインや形状も、ありふれた物ではなく、ひと工夫しています。

■その理由は■

「パズル合わせの如き柄取り」だけして仕立てるなら着物リメイク店の存在価値は無し、と考えるからです。
それでは、リメイク店としての付加価値を付けているとは言えません。
そんなのは、「着物リメイク専門店」ではなく「着物リメイク縫製店」です。

着物の絵・柄・模様は、「完璧なまでに完成された物」だと思っています。
着物をリメイクする側として、「その完成された絵柄模様を壊さないようにしつつパズル合わせの如く柄取りをする事」は、当たり前です。

それだけなら、縫製屋さんで間に合うはずです。

「着物リメイク店」を名乗るのであれば、「柄合わせして縫製するだけでなく、それ以外のデザイン的あるいは機能的な付加価値」を付けないとダメだと思っています
いわゆる「デザインセンス」の部分です。

綺麗な「仕上げ・縫製」をすれば、たしかに、お客様は満足します。
でも、考えてみてください。
それは、「当たり前」の事ではないでしょうか。

比較的、新しい業界とは言え、「単なる縫製店」の多さに、私は着物リメイク業界の将来を危惧しています。

その店その店で考え方は多種多様、とは、たしかに思います。

しかし業界の底上げをするには、そろそろ「着物リメイク縫製店」から「着物リメイク専門店」へ業界全体が変貌していかないと、成長が鈍化してしまうことでしょう。

最悪、怖いのは、大企業と有名デザイナーがコラボして参入する、ことです。
大資本の入りにくい業界とは言え、あり得ることですよ。

そうなる前に、現状のリメイク店が、本当の意味で「着物リメイク専門店」になってゆく事を願っています。

私如きがセンスの良い作品を作れるとは思っていませんが、着物リメイク業界が「ただの縫製店」から脱却する為の動機づけとしての役割を果たせるよう、一つの試みとして「見えない部分こそオシャレに仕立てる」ということを実践していますし、また、デザインや形状にもひと工夫しています。


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