着物リメイクの仕方【袋帯 (振袖用)】
2015/05/27
振袖用袋帯の特徴としては、
・生地が厚くしっかりしている。
・大柄のものが多い。
・刺繍のあるものが多い。
という帯が多いかと思います。
これらを踏まえると、おのずとリメイク対象品は「洋服と日傘はムリ」という事はわかると思います。
当店では、「バッグ」「クッションカバー」「テーブルセンター」「フラワー」「敷物」「ティッシュカバー・財布・ポーチなどの小物」「タペストリー」等をお薦めしています。
ポイントとしては、
●室内で使用または鑑賞するもので、洗わなくてよい物にリメイクする。
●着物に比べて、帯は長時間紫外線に当たると(何か月単位での話ですが)、色抜けしやすい物が多いため、室内でも置き場所を選ぶようにする。バッグの場合、(使用頻度にもよりますが)特に刺繍のある帯は、使っているうちの多少の色抜けは覚悟してリメイクする。
●刺繍がある帯は、出来れば生地を斜めに取らない。(どうしても斜めに取る場合は、裏の刺繍糸の始末をしっかりとしましょう。当店でもクッションカバーは斜めに取っていますが、裏糸がほつれないように、しっかり始末しています。)
●生地が厚いため縫い合わせ部分によっては、かなり分厚くなりますので、それを予測して縫製方法を決めつつ設計しましょう。
という点を念頭にリメイク品を決めると良いと思います。
着物リメイク(着物リフォーム)では、「どうしても、これを、これにリメイクしたい」という希望がない場合は、その生地や柄にあった物にリメイクすることが大切です。
着物生地は着物を、帯生地は帯を作るためだけに作られています。
当たり前ですが、将来、何かにリメイクすることを想定して作られてはいません。
ゆえに、「生地とリメイク品との相性」が最も大切なのです。
矛盾しているようですが、当店では、「どうしても、これを、これにリメイクしたい」というお客様に対しては、物理的に不可能な場合を除いては、リスクをご説明した上ですが、お引き受けいたしております。
そのお客様の「そのお着物に対する強い思い入れ」というのも理解できるからです。
プロである以上、どんな困難なリメイク依頼でも、知恵と工夫次第で可能である、と考えています。
また、そういうリメイクをこなして初めて、リメイク業界の進歩があると思うからです。
ワンポイントアドバイス
アイロンがけ
帯のアイロンがけに関しての注意点は、
●霧吹きはシミになりやすいので避ける。
●「折り山」は、ほぼ取れないと思ってください。
以上2点です。
「折りしろ」は、縫い代としましょう。
その際、折り山の少し内側を仕上げ線としてください。
折り山の先端は生地が擦れて弱くなっているためです。
アイロンがけに関しては、こちらをお読みください。
その着物生地はアイロン(高温スチーム)をかけられる?
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